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2021/11/05 23:06


前出のDISKと基本コンセプトは同じです。使い古された鉄の道具たちを集めて、熱する→叩く→くっつける。これを何度も繰り返し、DISKの親的な作品が出来上がりました。


“TIME PLAYER”


レコード盤とプレーヤー、のような形。今回は記録媒体だけでなく、再生機器もひっくるめてモチーフにしています。
針が音を拾ってる様子を実際に目視できるのは、レコードプレーヤーの魅力的なところです。そういう視覚的な楽しみを、オブジェクトに込めました。

トーンアームはTechnics社製のSL-20というターンテーブルからのパーツ取り。シンプルで精悍なデザインは、ゴリっとした円盤と対比が効いてます。70年代の古いものですがピカピカに綺麗!

このプレーヤーで再生するものは、音楽ではなくヴィジュアルです。そこでアームの先端にはカートリッジや針の代わりに、磁石とルーペを装着しました。自在に動かして、お好みの場所にパチンと固定できるようになっています。

円盤は化石のような姿をしていて、それを発掘調査してるような。ルーペのおかげで細かな質感もくっきりと観察できます。最近たまに「こ…これが老眼か!?」と感じることがあるんですが、そんな自分にも優しい仕様です。

ちょっと出来心。




せっかくルーペをつけたので。円盤には小さな刻印で、いろんな単語を打ち込んでます。
TIME PLAYERはひとまず2台作ったんですが、緑のラベルの方は天気にまつわる単語を打刻。



青いラベルの方は感情にまつわる単語をいくつか打ち込みました。
作品をお求めの方には、追加でお好きな文字を刻印致します。

台座はインドネシア産の大理石。ブラウニーグレーという石種を磨いて仕上げてます。

A面、B面あります。


真ん中のネジを外すと、こんな感じでバラけます。円盤をひっくり返して取り付けて、B面もお楽しみ下さい。
販売ページはこちらから。

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見た人が、イメージを広げられるようなキッカケを。最近そんな風に思うのは、もしかしたらコロナで対人距離が離れてしまったからかもしれません。かつては人との対話やお互いの表情から物事のニュアンスを受け取り、イメージを膨らませるキッカケを見つけやすかったけど、今はマスク越し画面越しで表情が読み取りにくいし、伝えにくい。その影響もあるのかな、イメージするという人間の素晴らしい能力の使い道を間違えて、勘違いから悪い想像を膨らませてしまう…そんな場面を目にすることが増えました。(これ、世の中の話なのか作品の話なのかというと、両方です。)
そんなコミュニケーションのもどかしさを乗り越えるために、今は「周辺」を大事にしていこうと思っています。今も昔も鉄を叩くこと自体は変わらないけど、見せ方は時代に応じて変えていく。前回のDISKであればCDケースだったり、今回ならプレーヤーの部分だったり。周辺に添えられた要素がヒントになって、謎のぺちゃんこ鉄物体から想像を広げてくれる人が増えたらいいな、と。(これは作品の話です。)